不妊治療は未知の世界

助産師が2人目不妊で不妊治療を始めていき、学んだことを書き留めています。

レトロゾール(フェマーラ)はPCOSの妊娠率と出産率を上げる!?


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KLCで体外受精にトライする周期で、初めてレトロゾールを投与することに。

全然知らなかったから、どんな効果があるのか調べてみた。

ら、コクランレビューがあったので、迷わずチョイス。

 

多嚢胞性卵巣症候群の女性に対する不妊治療におけるアロマターゼ阻害剤 | Cochrane

 

内容↓

P 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性に

I アロマターゼ阻害剤であるレトロゾールを投与すると

C その他の治療と比較して

O タイミング療法または人工授精での有効性と安全性の検討

 

RCTだけで42本の結果が含まれているし、かなりエビデンスレベルが高いレビュー。

うち、25本がクエン酸クロミフェン(クロミッド)を対照群に設定した研究で、5本が腹腔鏡下卵巣ドリリング(卵巣を覆う膜を穿刺する手術的治療)だった。

 

レトロゾールとクロミフェンの比較結果詳細

 

出産率

(OR 1.68, 95% CI 1.42 to 1.99; 2954 participants; 13 studies; I2 = 0%; number needed to treat for an additional beneficial outcome (NNTB) = 10; moderate-quality evidence)

OHSS率

(0.5% in both arms: risk difference (RD) −0.00, 95% CI −0.01 to 0.00; 2536 participants; 12 studies; I2 = 0%; high-quality evidence)

妊娠率

(OR 1.56, 95% CI 1.37 to 1.78; 4629 participants; 25 studies; I2 = 1%; NNTB = 10; moderate-quality evidence)

流産率

(20% with CC versus 19% with letrozole; OR 0.94, 95% CI 0.70 to 1.26; 1210 participants; 18 studies; I2 = 0%; high-quality evidence)

多胎率

(1.7% with CC versus 1.3% with letrozole; OR 0.69, 95% CI 0.41 to 1.16; 3579 participants; 17 studies; I2 = 0%; high-quality evidence)

 

以上を見ると、PCOSの場合、妊娠率・出生率ともに高くて、OHSS・流産率は同程度だし、多胎率減るらしい。

ただし、ファンネルプロットは軽度の非対称らしいけど、まぁそうでしょう。

これを見ると、PCOSには日本もレトロゾールにしたほうが良いのでは?

なぜ私は今までずっとクロミッドだけだったんだろう・・・。

 

ただ、primary outcomeに含まれるAdvers effectsはOHSSのみ。

患者としては、児の奇形率のメタアナリシスが知りたいよね。

別のレビューあるらしいから見てみよう。