不妊治療は未知の世界

助産師が2人目不妊で不妊治療を始めていき、学んだことを書き留めています。

KLC③ D14 後半 採卵後の培養士と医師の面談:クロミフェン周期(5)


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D14 水曜日
 
 採卵後、培養士と医師の面談の経過を記載。
前半の記事はこちら
 
 
 

全体の流れ(D14 後半)

 
11:00頃 9階へ移動する
11:55 9階問診室へ呼ばれる 
 
わ~~~
初めて培養士さんとご対面だぁ。
なんか名刺が立てておいてあるぅ。
 
PCモニターには卵子の様子が映っていたけど、自分のじゃなくて
成熟度を示したものだった。
 
培養士さんの手元にある用紙を見ると、
成熟卵のところに、3って書いてある!!!
 
嘘!!!!
 
にわかには信じがたい…
一般的な成熟卵の説明のあと、私の卵子の写真を見せながら比較してくれた
顆粒膜につつまれた真ん丸卵子・・・
うそぉ…
嬉しいのに、受け入れられていない
 
それから、精子の状態を説明された
こちらも問題なし
 
受精方法は、ふりかけで良いでしょうとのこと。
こちらも驚いた!
KLCブログ巡回をした感じでは、だいたい体外受精と顕微授精を半分ずつの
スプリット法を勧められるのかなと思ってたから。
 
培養士さんから過去の妊娠歴と体外受精の有無を確認されたのち、
レスキューICSIについて説明される。
 
ふりかけ後、5時間程度経過した時点で、受精率が1/3以下だったら顕微受精に切り替えます。
受精率が2/3以上だったら受精する可能性もあるので、何もしません。

 

培養士さんへの質問

 
Q. レスキューICSIはみんなに説明するのか
 初回の受精の時だけです。
 
 
Q. 変性卵ではなかったのか?
今回はすべて違います。 変性卵は一目みてわかる。
 (変性卵の一例について実際に画像を見せて説明してくださった。 )
 
 
Q.受精方法を全てふりかけとした根拠は?
  1. 全て成熟卵だったこと
  2. 精子の状態が良好だったこと
  3. 前回自然妊娠していること
以上の条件からふりかけを選択した。
しかし、前回妊娠から5年経過しているので受精障害となっている可能性も否定できないため、レスキューICSIが必要となる可能性もあります。
 
 
 
12:15 4階問診室へ呼ばれる 医師との面談
 
3個成熟卵がとれたのですね。
明後日移植で大丈夫ですか?と。
3つとも受精できたら、1つは移植して、残りは胚盤胞まで培養して凍結しますとのこと。
 
12:30 会計
 
 

医師への質問

 
Q. 移植日のスケジュールは
11:30来院で夕方までかかる。
 
 
Q. 移植が3日後でも問題はないか?
卵割の用紙を見ながら説明される
2日後だと4細胞胚、3日後だと8細胞胚になる
8細胞胚に進めない受精卵がある一方で、こちらのほうが妊娠率は1割ほど良い
移植日を延ばすことによるデメリットはあまりないので、都合で選んでもらっても構わない
 
Q. 全てふりかけになったのは?
精子の状態が良かったんでしょう。
そうでないとふりかけはできませんから。
(一応医師にも聞いてみたけどあまり説明なかった)
 
Q. 子宮内膜の厚さは?
今回は7mmだった。
内膜薄いから当日もう一度確認して8mm以上じゃないとキャンセルになります。
 
じゃあ今回は内膜のことを考えると8細胞胚のほうがむしろ良いかもということでしょうか。
はい、実はそうですね。そういうことです。
 
 

顕微授精にならなかったことが意外だった理由

 
はぁ・・・。
とりあえず、前回の採卵という壁は突破した。
だって前回は0個だったからね。
 
でも、次は受精という壁があるらしい。
しかし、培養士さんの話を聞く限り、私の状況はどちらかというと
とても妊娠しづらい状況とはアセスメントされていないということが分かる。
 
確かに、年齢(30台前半)・産科歴(前回自然妊娠)ということに加え、
精液検査は良好で、卵子も成熟卵が採れたとなれば・・・。
 
ただ今回の状況に驚いた理由は、このような状況であったとしても
病院的にひとつも顕微授精をしないという選択肢にはさせないだろうと思っていたから。
 
私は体外受精しか行わないというKLCを商業主義に傾倒しているのでは?と感じていて
だからこそ受精率を下げないように顕微授精を勧められるのではと思っていた。
そして、顕微授精を勧められたら、一度はふりかけ法でチャレンジしたいと伝えるつもりでもいた。 
 
それは、とても心配症な私の性格に起因するのだけれど…。
じっくり論文読んだわけではないのでこれからちゃんと目を通したいと思うけど、
体外受精児(ここではふりかけ授精を指す)は、自然妊娠で出生した児と大きな差はなさそうに見える。
ただ、顕微授精児では、神経機能や生殖機能への影響など、まだまだ結論が出ていない部分があると思う。
いや、寿命や長期的な健康リスクで言えば、体外受精だって不明なことが多いのは同じなんだけど。
 
それなのに、顕微授精は問題がありませんとか言いきってしまう医師に会うと、それは希望的観測に過ぎないのではと感じてしまう。
まだ、現在明らかになっていないだけで、
「顕微授精がこどもにどんな影響を与えるか分かっていない、結論は出せない」
というのが正しい説明になるのではないか?と思ってしまうから。
 
以前タイミング法からいきなり体外受精を検討しようか悩んでいると相談した際に、ある医師に言われたこと。
 
「年齢も若いんだしやっぱり段階を踏んで治療をしていった方がよい。」
「体外受精で初めて生まれたこどもが40歳、だからその先に一体何が起こるかはまだ分かってないんだよ」

 

すごく納得した。
しかも、この医師も、我が子を体外受精で授かっているもんだから、
余計に、胸に響いた。
 
 
 日本生殖医学会では顕微授精について下記のように記載されている。 

一般社団法人日本生殖医学会|一般のみなさまへ - 不妊症Q&A:Q13.顕微授精とはどんな治療ですか?

 

3)体外受精と異なるところ

 体外受精では受精させるための精子を卵子が入った培養液に加え、その中の1個の受精できる条件を満たした精子だけが受精しますが、顕微授精ではただ単に元気に運動している形が正常な精子を1個捕まえて、受精させる精子として選択するのです。現状として、この選んだ精子がベストな精子かを明確に検査することができません。
 以上のような点で、顕微授精は体外受精と異なりますが、現時点で、顕微授精で生まれた子供に形態異常や染色体異常が体外受精と比べて多いとは言われていませんが、まだ私たちがわからないリスクがある可能性があります。したがって、顕微授精はこの方法を行わないとどうしても受精できないという夫婦に対して実施する治療法であると考えられています。

 ※太字・赤字は管理人による
 
ふむふむ。
やっぱりそうだよね。
 
ただし、こどもに何かしらの負の影響があるかもしれない、という点では、
オキシトシンでの陣痛誘発や促進、帝王切開、硬膜外麻酔なども
色々なことを研究ベースでは指摘されているわけで…。
 
もちろん自分にとって必要なことならば、その「もしかしてのリスク」を背負ってでも受け入れる…ことにはなる。
加えて、こどもが成長するまでにはたくさんの交絡因子(結果に与える影響)があるから、本当に「もしかしてのリスク」が起こるかどうかなんてわからない。
 
誰だって、医療介入なく自然に妊娠して、出産してってできれば一番いいと考えているだろうし…。
 
 
話をKLCでの授精方法に戻そう。
今回のことについては、もしかしたら、レスキューICSIができる設備が整っているから、このような受精方法を提示された可能性もある。
 
下記のクリニックの記載を見る限り、タイムラプスがあるなど
一定の環境下でないとレスキューICSIを実施しても成績が悪くなることがある様子。
 

sophia-lc.jp

 

レスキューICSIができ、成績が良いということは、

もしかしたら病院選びの一つの基準になるのかもしれない。