不妊治療は未知の世界

助産師が2人目不妊で不妊治療を始めていき、学んだことを書き留めています。

レトロゾール周期:胎児の安全性


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レトロゾール(フェマーラ)の不妊治療での使用は保険適応にはなっていない。

ということで、やはり気になるのが胎児の安全性について。

自分なりに調べてみた記録。

 

 

 

胎児への安全性:診療ガイドブックより

 

(3) 児の安全性

ここでは、Biljan et al. (2005)、Tulandi et al. (2006)、Nakamura et al. (2014)の文献引用があり。

 

結論としては安全だよって感じ。

まぁこのことについては、大規模なRCTもいくつかありシステマティックレビューもあるので、そんなに心配する必要はなさそう。

 

 

でも、このNakamura et al. (2014)の文献がいくら探しても見つからない~~なぜ~。

 

出てくるのは、Nakajo先生が筆頭演者の学会発表だけだ~

Y. Nakajo, Y. Nakamura, K. Hirata, M. Doshida, T. Takeuchi, K. Kyono. Pregnancy and neonatal outcome following ovulation induction with letrozole and clomiphene citrate. Fertility and Sterility. P-423, September 2013,100 (3), Supplement, Pages S269–S270 

https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(13)01905-5/abstract?code=fns-site

 

本当はunder review中でrejectになったのかな・・。探せなくて残念。

 

 

 

胎児への安全性:KLCの説明書より

 

KLCでは、「レトロゾール錠使用についての説明」という複写式の説明書と同意書が渡された。

きちんと説明されていて、こういうところ本当に素晴らしいなぁと毎度思う。

そして内容は下記の通り。

 

  • 期待される作用と効果
  • 投与方法
  • 予想される副作用
  • 胎児への影響に関する論争と当院の考え

 

最後の胎児への影響のところの前半は以下の通り。

 

カナダの医療機関からレトロゾールにより胎児の運動機能と心臓に関する先天異常が増加すると報告されました(Biljan, 2005年)。これをうけてレトロゾールを適応外である排卵誘発目的で使用することに関する注意喚起が行われました。しかし、比較対象となった群の平均年齢がレトロゾールを使用した群より5歳近くも若く、さらに妊娠中胎児異常が疑われた場合には、高次医療機関に転院して比較対象群から外れるなど、およそ比較の対象になりえないと多くの医師より指摘されています。この報告を持ってレトロゾールは胎児の先天異常を増加させるとの結論には無理があると当院でも考えています。

 

※誤字や引用方法等すべて原文ママ. 本来は比較対照群

 

専門外の方にもすごくわかりやすく記載されているなぁという説明文書。

Biljan et al. (2005)の文献調べてみたけど、ただの学会発表かぁ…。

多分これかなぁ↓↓↓

 

この研究結果は、対象者のフローや分析結果にも疑問点が多く、確かにあまり参考にはならなそう。

 

 

 

Biljan et al. (2005)、Tulandi et al. (2006)、瀬川ら  (2011)の文献引用があり。

最初の二つは診療ガイドブックと同じだね。

 

 今日はここまで。